会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座
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文書作成日:2022/12/08


 2023年4月より、給与の支払い方のひとつとして、デジタル払いができるようになると聞いた。そこで、具体的にどのようになるのか、また会社として準備すべきことがあるのか、社労士に確認することとした。

 以前に、給与のデジタル払いができるようになるという話がありましたが、従業員から当社もできるのかという問い合わせがありました。

 なるほど。先月、労働基準法施行規則が改正され、2023年4月1日に施行されることが確定しました。

 では、実際に給与のデジタル払いができるようになるのですね。

 はい。このデジタル払いの話の前に、そもそもの賃金の支払いについて確認しましょう。
 労働基準法では、賃金は原則、通貨で直接従業員に、その全額を支払わなければならないと規定されています。

 原則、通貨なのですね。昔は現金支給をしている時代がありましたが、最近は見かけなくなりましたね。

 そうですね。いまは銀行口座等に振り込むことが当たり前のようになっていますが、実は、法令では従業員の同意を得た場合に、銀行口座等に振り込むことが認められています。

 当然に銀行口座等への振込ができると思っていましたが、同意が必要なのですね。

 はい。後ほど、届出の様式を確認していただければと思いますが、給与の振り込みを希望する銀行口座を記載する用紙に、同意をした上で届出をするというような文面になっているのではないかと思います。そして、2023年4月1日からは給与をデジタル払いすることが認められることになりますが、こちらも従業員が同意した場合に可能となるものです。

 なるほど。ちなみに従業員が希望したら、必ずデジタル払いに対応しなければならないのでしょうか。

 いいえ、あくまで賃金の支払い方の選択肢が増えるというものですので、給与のデジタル払いが義務になるわけではありません。

 例えば、当社ではデジタル払いに対応しないということも可能ですか?

 可能です。会社として賃金の支払い方の選択肢を示し、その中から従業員が選択、同意した方法で支払う形になります。デジタル払いについては、事前に労使協定を締結した上で、預貯金口座との相違や破綻時の保証、不正引出の補償等の注意すべき事項について、会社が従業員に説明した上で同意を取る必要があります。ですので、当社はデジタル払いには対応しないという選択肢をとることもできます。

 なるほど。きちんと説明することが求められているのですね。今後、会社としてデジタル払いに対応していくのか否か、検討していきたいと思います。また質問が出てきたら連絡します。

>>次回に続く



 賃金から所得税や社会保険料など法令で定められたものだけでなく、例えば、親睦会費や社宅家賃、団体保険料、労働組合費など、様々なものを控除することがありますが、こうした法令で定められた以外のものを控除する場合、労使協定(賃金控除に関する協定)の締結が必要です。
 このような法令以外のものを賃金から控除しているときには、この機会に労使協定が締結されているかを確認し、締結されていない場合は整備を行いましょう。また、労使協定を締結している場合も、その内容が実態にあっているかを、確認しておきたいものです。

■参考リンク
厚生労働省「資金移動業者の口座への賃金支払(賃金のデジタル払い)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/zigyonushi/shienjigyou/03_00028.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。


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